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洪鋒雷・赤松大輔研究室@横浜国立大学 理工学部・大学院工学研究院では、超精密分光・量子計測を専門とし、光コム、光周波数コム、光時計、原子・分子、原子時計、量子標準の研究・教育を行う

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 学生のひろば

留学先のSchool of Mechanical and Aerospace Engineeringのエントランスにて

いろいろな経験を積んでおくことが将来の糧


久井裕介


 私はシンガポールの南洋理工大学(QS World University Rankings 11位、アジア1位、略称NTU)へ光周波数コムの新たな応用の開拓に関する研究をするために2018年8月から2019年3月までの8か月間、研究留学しました。留学しようと思ったきっかけは大きく3つあります。1つは、私は修士2年のときにシンガポールで開かれた国際会議で発表するために初めて海外に行ったのですが、そのときに海外の面白さを知ったので、その勢いで留学してみたいと思ったことです。

 2つ目は、国際会議の時に研究室見学をさせていただいたNTUのKim先生(現在は韓国のKorea Advanced Institute of Science and Technology、略称KAISTの所属)の研究に興味を持ち、携わってみたいと思ったことです。3つ目は、私は将来海外で働くことも視野に入れていたので、そのために学生のうちに海外で経験を積んでおきたいと思ったことです。そして、Kim先生のもとへ留学させていただきたいと直接連絡したところ、快諾していただいたため留学が決まりました。また、留学するための資金がなかったため、文部科学省が主導するトビタテ!留学JAPANというプロジェクトに応募したところ採用されたことも留学を後押ししました。


大学内の建物(教室や図書館など)

 初めての留学は、海外経験の少ない私にとっては大きな挑戦でした。1人でシンガポールに降り立って、ちゃんと入国の手続きができるかどうかという時点から心配でした。シンガポールでの生活が始まってから数日間は本当にいろんなことがあり大変でしたが、幸運だったのは同じトビタテ生で横国から同時期にNTUに留学した人がいたことでした。その人やその人の友人を通じていろいろ情報収集しつつ、自分でインターネットを駆使したりして困難を1つずつ乗り越えていきました。

 研究生活に関しては、Kim先生は学生の自主性に任せる方だったので研究室内で出来る大まかなテーマを与えられてからは、具体的な研究計画は全て自分で立てました。自分には馴染みのない分野に挑戦したため、少しでも多くの論文を読み漁って先行研究で行われてきたことや研究のトレンドなどを探るのと並行して、教科書を読んで基礎知識をつけながらどんなことが今の環境で出来て面白いかを一生懸命考えました。毎週のグループミーティングで実験結果や計画を先生の前でプレゼンするのですが、厳しくダメ出しされたりしてはまた一週間あれこれ考えて研究をブラッシュアップしていきました。紆余曲折ありなかなか結果が出るまでには時間がかかりましたが、残り2カ月ほどで光が見えてきて、最後の1か月はなんとしてでも帰国前に研究を満足する形に仕上げようと必死に研究しました。その結果、論文を書けるだけの成果を挙げることが出来ました。

初日の出とマーライオンとマリーナベイサンズ

 物理工学の後輩の皆さんにも、是非海外で研究することにチャレンジしてほしいと思います。学生のうちはチャレンジして失敗しても基本的に失うものはほとんどないので、今のうちにいろんな経験を積んでおくことが将来の糧となるのではないかと思います。また、研究室に入ると人間関係が限定されて視野が狭くなりがちなので、海外に限りませんが外の世界をいろいろ見ておくのは必要なことだと思います。もし少しでも研究留学に興味があって話を聞いてみたいという方がいれば、お気軽に私のもとへ訪ねてもらえればと思います。

(2019年10月20日)




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