プレゼンテーション実習
2024年洪・赤松研プレゼンテーション演習テーマ例示
・レーザー冷却、またはレーザー冷却を利用した実験に関する文献調査
レーザー冷却技術は、レーザーを用いて気体原子を急冷する技術である。レーザー冷却は希薄原子気体のボーズ凝縮・フェルミ縮退を実現するための重要な技術である。また、セシウム原子泉時計や光格子時計といった超高性能な原子時計のための基礎技術でもある。レーザー冷却やその応用技術(BECや原子時計など)に関し、歴史的に重要と思われる実験を中心に文献調査を行う。レーザー冷却の物理に関する深い理解をし、自分の言葉で語れるようになることを目指す。できれば、論文の内容等のシミュレーションができるようになることが望ましい。
・微粒子の運動制御に関する文献調査
レーザーを用いることで、微小物体の運動を制御することが可能である。特に近年においては、超高真空中でナノ粒子を光トラップすることにより、量子力学的なレベルの運動制御が可能になってきた。微粒子光トラップに関し、重要と思われる実験を中心に文献調査を行う。光による運動制御を中心とした物理に関する深い理解をし、自分の言葉で語れるようになることを目指す。できれば、論文の内容等のシミュレーションができるようになることが望ましい。
・光コムの製作と評価(実験または文献調査)
我々はモード同期レーザーによる光コムを作っている。モード同期レーザーの繰り返し周波数やキャリア・エンベロープ・オフセット周波数の制御は光コムを作る上で必要である。制御用の信号を検出し、制御を行い、その結果を評価する。
・レーザー周波数安定度の高度化(実験または文献調査)
周波数安定化レーザーは、光時計や波長多重通信などの応用がある。ヨウ素分子の吸収線にレーザーの周波数安定化を実施することで超高安定化レーザーを実現する。我々はレーザー周波数安定度の高度化を目指して、分光系の改造、改良を行っている。
・量子通信のための光ファイバー干渉計(実験または文献調査)
量子通信において光子干渉の実験は重要な役割を果たしている。1光子干渉の実験では光子を伝送する光ファイバー長の制御は必須となる。我々は光通信帯波長多重の異なるチャンネルを、ファイバー長制御と光子伝送用チャンネルとして利用し、光ファイバー干渉計による制御の実験を行っている。
・Yb原子冷却及びそのためのレーザー安定化(実験または文献調査)
Yb原子のレーザー冷却は磁気光学トラップを用いて行われている。我々は399 nmのレーザーによる第1段目の磁気光学トラップに引き続き、556
nmのレーザーによる第2段目の磁気光学トラップの実験を進めている。そのためのレーザー周波数安定化の実験も同時に進めている。